大変ご無沙汰しています。
佐藤久美子です。

諸々のご報告などです。


タベル・プラス株式会社は正式に消滅しました。
いわゆる、破産手続きが完了したということです。


会社員卒業後より、個人事業主時代~会社設立・運営している中、ご支援ご協力いただいた皆さまにおきましては、大変心苦しい報告となりまして心よりお詫び申し上げるとともに、お世話になりましたことを感謝申し上げます。


なぜブログを書くことにしたのか、事業撤退を決めるまでのこと、法的手続きにおいて私が行ったこと、振り返りとこれからについて素直に書いていきます。



■なぜ、実名のこのブログで書くのか?

理由は2つあります。

1つ目の理由は、関わってくださった方々へ報告と謝罪をしたいと考えたから。

関わってくださった方…債権者、応援・協力・支援者、株主、チームメンバーの方々、これまで本当にありがとうございました。この御恩とご迷惑をおかけしたことは一生忘れません。償いきれないと思いますが、これから生きていく中で社会に恩返しする気持ちで私は何事にも取り組んでいきます。

本来ならば1件1件伺って謝らなければならないと思いますが、それは弁護士事務所から禁止されていたためできませんでした。状況をお察しいただければと思います。


もう1つの理由は、次に進むために自己開示をするべきだと考えたから、です。

人生100年時代といわれる中、私自身これからの生き方を考え、キャリアドリフトをしていく中で、これまでの自分を偽ったり、隠したり、否定してはいけないし、したくはないと思っています。これまでの日々がすべて私、佐藤久美子を構成する要素だからです。

私は私であって、ほかの何者でもないし、何者にもなれない。自分の行動の結果を真摯に受け止め、その上で折れたり腐ったりすることなく、バネとして成長しながら生きていきたいからです。

そして、そんな私を知り受け入れてくれる友人や仲間とこれからも友好な関係でいたいと思うし、また新しいチャレンジをしていきたいのです。


■破産手続きの覚悟をするまで

私にとって、大好な食に携わる事業を撤退する、会社を止める決断をするには、大変勇気がいりました。

昨年の11月頃からモヤモヤとする、お腹が痛い日が本当に多くなりました。新しい事業を立ち上げるということは、資金繰りを考えながら売上もしくはユーザー数を増やしていかなければなりません。販管費はもちろん、諸々の支払いがあり、日々銀行通帳とにらめっこでした。そんな中、アプリのアップデートをリジェクトされる。正に八方塞がりの状態と化していきました。

この時点で、市場ニーズを読み違えたということをいよいよ真正面から受け入れざるを得ないわけです。それより前にも何度か似たようなことがあり、チームメンバーにピボット(事業転換)しようと話していましたが受け入れられなかった。そこで、年明けには私一人でも最後まで諦めずやり切りたいと考え、1つ策を考えたわけです。

一方で「これ以上、銀行借り入れはしない」という撤退基準・ルールを設けていました。だから口座の残金を勘案しながらトライしようで考えていました。

そんな時、ある先輩経営者の方からメールいただいたんです。「あなたは十分に頑張ってやりきった。その年齢で今なら清算して、別の人生、新しい生き方ができるよ。考えてみて」と。


「清算」という言葉って何だろうと思い、ネットで調べ、お世話になった先生の紹介で弁護士事務所へいきました。諸々話していたら、「今なら最小限の迷惑で清算できる」ということを知り、その場で決めました。

正直、まだトライしたい・野菜や食に携わる仕事がしたいという未練、何とかやっていけるんじゃないかという意味不明な期待というか自信、会社を辞めて事業を立ち上げ、受賞したり、周りの人を巻き込んでやってきたのに廃業するなんて格好悪いなぁという見栄がありましたが、それを瞬間的に断ち切りました。これ以上、人に迷惑をかけてはいけないと考えたからです。最終的には迷惑かけてしまうのですが、最小限の迷惑に抑えられるチャンスは二度と来ないと直感したのです。

「これは単なる終わりではなく、次に進むため、新しい始まりの第一歩でもあります」という弁護士の先生の言葉にも救われました。


■破産手続き開始に伴うできごと

一般的な破産手続きの流れ、決まり事の詳細は、ネットに溢れているのでそちらをご覧いただければと思います。リアルな話は今回ココで書かず(書けない)ので、追い追い別の機会で話したり書いていきたいと思います。

ただ1つ言えるのは、音信不通や世捨て人的になったり、最悪自殺してしまう人がいるのも肌感覚的に理解しました。様々な連絡が入ってくるものの、トラブルを回避するために、外部との接触を一切遮断しなくてはならないからです。SNS等で人が繋がっている今、仮に誰か1人に接触したことで大事になる可能性もあるからです。私の場合は、携帯、PCなど全て弁護士さんにお渡しすることになりました。郵便物も受け取れません。SNS等は基本は触らない、発信してはいけない、ということでした。

この半年間、連絡いただいたにも関わらず返信できなかった皆さま、本当に申し訳なく思っています。


一方で、債権者にしてしまった方々、直近に取引してくださっていた極ほんの一部の方々には、一件ずつ電話にて経緯を説明しこれまでのお礼と、迷惑をかけてしまうお詫びをしました。本当はこれもトラブルになるのでNGなのですが、私個人としてできる限りのことはしておきたい、という気持ちからでした。(弁護士の先生に相談をして、個人的な許可というか忖度?をいただけた範囲ですが)

そんな中、「シェフさんとコラボしたりして楽しかったよ」「新しい発見あって勉強になったよ」「落ち着いたら遊びに来て」「連絡してね」「ご飯に行こう」と励ましの言葉を多くいただきました。電話するたびに、皆さんの優しさに涙をこぼし、泣いてばかりじゃいられない、次もまた頑張るぞ、と思うようになりました。

破産申し立て手続きをすると忙しくなると思っていたのですが、タベル・プラスは事業規模は小さく、毎月の会計処理もきちんとしていたこともあり、事務的手続きもそれほどなく何もやることがない日ができるようになりました。心にぽっかりと穴があいた感じの日が数日ありました。ぼーっと数日過ぎたころ、次に自分がやるべきことは「就職活動だ」と思い、履歴書・職務経歴書を作成し転職エージェントに登録し、同時に信頼している友人知人に事情を説明し渡しました。

私個人的には、今回のこの事業がうまくいかなかった40過ぎの女性である自分の価値はそれほど高くはないだろうと覚悟していました。が、予想をいい意味で裏切るようなオファーをいくつかいただきました。有難いことです。で、今までと全く異なる業種で自分のスキルや経験を活かし貢献つつ成長もできること、仕事のやりがいを優先して考え、最終的にはご縁いただいた、地元の機械商社の企画室で仕事をしています。賞味の就職活動は2~3週間、スピード就職でした。


■これから

改めて、これまで関わってくださった方々、本当にありがとうございました。この御恩とご迷惑をおかけしたことは一生忘れません。償いきれないと思いますが、これから生きていく中で社会に恩返しする気持ちで私は何事にも取り組んでいきます。

そして、これまで書いてきたブログは私にとっては宝物であり、自分が生きてきたこと、取り組んできたことの証、軌跡なので、そのまま残すことに決めました。それほど読者数はいませんが、誰かの何かの役に立てればと思います。


今、私は久しぶりに会社員生活を過ごしています。

35歳で会社員生活を卒業して、個人事業主→会社経営をしたこの7年間、様々な出会い、経験、学びがありました。どれも自分から踏み出さなければ得られなかったことです。苦しいこと、悩ましいこと、辛いこともあったけれど、その倍以上の無形資産を得ることができたと思っています。なので、チャレンジして本当に良かったと思うし、これからも「やらないで後悔するよりも、まずはとにかくやってみる」という心構えで生きていきます。

これからも色んなトライを積み重ねていきますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします!


佐藤 久美子